国の天然記念物、ハマボウの群落
吹上浜にそそぐ万之瀬川の左岸沿いの泥質干潟を中心に、ハマボウが1000株以上が生育し、日本最大規模の群落を形成しています。
ハマボウは7月頃にハイビスカスに似た黄色い花を咲かせる海岸に特有の植物で、最近では河川改修などで全国的に減少しつつあります。
国の天然記念物、干潟生物群集地
また、この干潟にはハクセンシオマネキの日本最大級の生息地もあります。ハクセンシオマネキは小型のカニでかつては西日本の干潟で普通に見られたカニでしたが、埋め立てや河川工事などで急激に減少しています。
万之瀬川河口のハクセンシオマネキは個体数が多いだけでなく生息密度も非常に高く、貴重な群落です。ここでは他にもハンミョウや貝など干潟とその周辺でくらす数多くの生物が見られます。
こうしたことから、周辺一帯が「万之瀬川河口域のハマボウ群落及び干潟生物群集地」として2007年に国の天然記念物として指定されました。
南さつま市では平成20年度に「ハマボウ群落散策路」を整備しており、ハマボウの観察が気軽に出来るようになりました。これは昭和5年頃に築造された石積みの堤防を活用したもので、文化的にも価値がある散策路になっています。正面には万之瀬川河口のシンボル「サンセットブリッジ」を望み、眺めも良好。ハマボウが満開となる7月あたりにもぜひ訪れてみてください。
ハマボウ群落散策路
県道20号線を金峰町から加世田に向かう途中、県立吹上浜海浜公園の手前あたりに小さな川にかかる橋があるそばに海岸沿いに入っていく小道があり、小さな案内が出ています。「砂の祭典」会場から車で5分程度です。